【スタディ】世界最先端のスマートシティサンタンデールの取組

【スタディ】世界最先端のスマートシティサンタンデールの取組
プロジェクト概要

スペイン有数の観光地である、サンタンデール市では慢性的な渋滞や公共サービスのコスト増加に対してIoTによる課題解決を統合的に進めることで、市が抱える多くの課題を効率的に解決した。イーソリューションズではこの取組について研究を行った。

市民・観光客向けサービスの未整備
多くの観光客が訪れるサンタンデールでは交通渋滞が慢性的に発生し、エネルギー消費の増大や大気汚染などの環境問題が発生していた。さらに、ゴミ収集等の公共サービスにかかる人件費等のコストの増大や、観光客向けのリアルタイムな情報を発信するデジタルサイネージなど、今後対応すべき様々な課題が存在していた。

企業・自治体ともに「部分最適」な取組み
これらの課題に対して従来、サンタンデール市は個別の企業と改善に向けた取組を行っていたがセキュリティの観点から個々の取組で得られたデータは、連携されていなかった。加えて、自治体側も従来から縦割りの発注形態であったため、サービス開発が統合的に行われていなかった。

EUの支援を受け「スマートサンタンデールプロジェクト」を始動
そのような中で2010年に、EUはサンタンデール市が抱える交通渋滞、大気汚染等の社会課題に対して支援を行うことを決定した。このプロジェクトは「スマートサンタンデールプロジェクト」として、公共サービスによって得られるデータを統合的に活用したエコシステムの実現によって解決することを目的とし、スマートシティ関連プロジェクトでは初となる約8億円が出資された。この結果、事業規模は約11億円のプロジェクトとなった。

IoTプラットフォーム導入による課題解決
この事業を通じてサンタンデール市はIoTプラットフォームを導入し、センサーを市内中に設置した。これらのセンサーを活用し、駐車場に設置したセンサーからはドライバーに空車情報を共有し、交通渋滞を約80%削減した。他にも、ゴミ箱に設置したゴミの集積量センサーからゴミ収集の最適なルートを算出し、人件費などのコストを約15%削減した。センサーだけでなく、市内のカメラのデータを活用した市内ガイドのアプリを開発した。

企業・自治体による統合的な情報環境の実現
情報の統合的な活用を行う一方で、強固なセキュリティのIoTプラットフォームにより、安全に各企業が情報連携を行うことができる環境を実現した。また、自治体側でも、プロジェクトの計画に沿って自治体内の開発業務をまとめるタウンマネージャーの導入により、効率的な公共サービスの提供を実現した。

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